Exi-japan Co.,Ltd

建築カタリストのリノベ・建築よもやま話

コストが全然合わない場合
あなたはどうしますか?

所有する物件が築年数も古くなり、色々と問題もでてきたからリノベーションをしようと決意。工務店やリフォーム屋さんに見積をお願いしたら、でてきた見積が高すぎて予算と全然合わないということがよくあると思います。

あなたはそんな時どうしますか?
値段が合わないからリノベーションはあきらめますか?
それとも、新たにリフォームローンか何かで融資を受けて資金をつくりますか?

そうしていただければ私たち業者としてはありがたいのですが、なかなか簡単にそういうわけにはいかないですよね。

1番良くないのは予算がない場合に業者さんに予算内で工事をするように、強引に値段を合わせてもらうことです。

この業界によくあるんですが、値切られることを前提にはじめから高い見積をわざと出しておいて価格が高くて踏み切れないお客様に、最後に「仕方ないですね分かりました今回だけですよ」とかうまく言って何十万円もイッキに値引いて契約をする業者がまだいます。

営業マンとしてはそれも一つクロージングの方法ですし、そういう営業手法自体を否定するつもりは全くありません。

本来値引きをお願いしたところで、ちゃんとした業者さんの見積であれば値引きできる金額なんてわずかですし、無理に値引けば当然クオリティーの低いものが出来上がって、最終的にはお客様自身が困ることになります。

なぜ困るのか?
お客様は普通、当初の内容のまま値引きしてくれて良かったと思ってるかもしれない。
でも、そんなうまい話が世の中にあると思いますか?あるわけないんですよね。

業者がお客様に何か特別な義理や借りでもあるなら別ですが、仕事なので会社の守るべき利益率は当然決まっています。企業である限り利益をあげなければならない。
じゃあどうするのか?

イヤな予感がしてきますよね…
そうです。方法は2つしかありません。

  • 使う材料のランクを下げるもしくは減らす。
  • 協力業者に対して値引いた金額をそのまま負担させる。
建築カタリスト・コマツ

1.も2.もこわいのは、よっぽど施工が悪いとかでない限り出来上がったときには一見わからないことが多いということです。
本当ならば何年経っても変わらないものが1年もしないうちに色が変わったり、場合によっては歪んできたり使用する時に影響が出てきたりします。

あなたは見積に書かれている内容を本当に把握していますか?
今回の工事においてどこの会社のどんな材質でどのランクのモノが使われて、どれだけの量が本当に必要なのか?
そして、それが実際に施工時にちゃんと使われているかどうか?

そんなのわかるわけないですよね。そりゃそうです。
そもそもプロの私たちでも他人がつくった見積を判断するのなんてできないぐらいなんですから…

どこまでチェックをしたとしても、業者さんに任せるしかない部分が出てきます。
だから、信頼が大切なんです。

そもそも、キッチリとした業者であれば、お客様のためにいかに安い見積を出すかを本当に考えて出しているはずなので、値引きできる余裕はほとんどないはずなんです。
なのでちゃんとしている業者であればあるほど値引きはしないと思いますし、もし値段を下げるのであればそれに伴うデメリットをきっちりと説明してくれると思います。

それでも見積が大幅に予算を超えている場合もありますよね。
そんなとき弊社ではVEという手法を用います。

VEとは(Value Engineering)の略で建築業界では良く使われる言葉です。
ただ、言葉は良く使われているのですがEを本当に理解している人はとても少ないのが現状です。

VEとはコストが合わないから業者に電話をかけて値引交渉をして値段を安くしてもらうことであると思っている人がほとんどです。
ですがそれはCR(Cost Reduction)で、VE(Value Engineering)ではないんですね。

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CRとVEについては後日また詳しくお話しますが私達のような「設計者・デザイナー・監理者」は値段が合わない場合に単に値切るという方法を取るのではなく一体「誰のために、何のために」リノベーションをするのかということを根本から考え直し、余分なものを取り除き本当に必要なものを見つけ出すことでそれに集中・特化して、予算内に近づけるということをするべきなのです。

VEをするためには当然時間も必要ですし、様々な専門知識や経験がものを言います。
そして何よりお客様と何度も話し合い信頼関係をつくっていくことで業者とお客様の目的を共有することが大切です。

みなさんがリノベーションをする時にはぜひ、一度確認してみてくださいね。