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建築カタリストのリノベ・建築よもやま話

こだわりを実現する
「施主支給」をご存知ですか?

ご自宅のリノベーションで、施工業者が手配した物ではなくお客さま自身が用意した設備品などを使用することがあるのをご存知でしょうか?
僕がお手伝いしたお宅での例がオーナーインタビュー「ヴィンテージとDIY、好き!を詰め込んだ家」の記事に掲載されています。

こちらの場合は、洗面用のシンクがメーカーの取り扱いがないもの、洗面台の鏡のフレームが奥様のDIY、タオル掛けは流木を使用ということで、ヴィンテージな雰囲気作りに一役買っています。特にシンクは水盤の部分が陶器製、焼き物作家が作られたというこだわりの一品です。

こうしたお客さまによる持ち込みのことを、建築業界では「施主支給」と呼んでいます。
施主支給は、受け付ける会社、物によっては受け付ける会社、一切お断りの会社と、リノベーション会社によって対応がまちまちです。

これは、施主支給のアイテムがリノベーション会社が建築資材を現場に受け入れる通常のルートと別のルートで来ることに起因しています。

一般的にリノベーション会社が建築資材を仕入れる場合、専門の商社に依頼し細かい日時指定をして搬入をします。一方、施主支給は通販サイトや個人向けの小売店から宅配便での配送が多く、到着日と午前・午後程度しか指定できない場合もあります。
そして、届いてからも取り扱いには細心の注意を払わなければなりません。

  • 現場に届いた時、誰が受け取るか?
  • 梱包材をどうやって処分するか?
  • 到着した物を誰がどうやって検品するか?
  • 到着時に破損していた場合、どうするか?
  • 取付部品が足りない場合、どうするか?
  • 取付が別の日だった場合、それまでどこに置いておくか?…etc

施工現場では、これらのことを考えておく必要があります。また、これらの作業に関わる手数料が必要になりますし、届いた物に不備が見つかれば工事が遅れ、予定外の出費が出てしまうこともあります。
そのため、お客さまの細かなリクエストに応じる知識や権限のないスタッフが窓口を担当している場合、施主支給は一切お断り、となってしまうのです。

建築カタリスト・コマツ

イクシーでは、建築カタリストがお客さまへのヒアリングから施工の監理までを一貫して行いますので、これらのリスクやメリット・デメリットを事前にお話ししたうえで施主支給を行うかどうか、お客さまに判断していただくことにしています。
お客さまの好みやこだわりはできるだけ実現したい。その手段のひとつが施主支給だと考えているからです。

次回は、施主支給を上手に使っていただくコツについてお話ししたいと思います。